春が近づくとお米の種まき作業開始!
本日は家で田植えの準備をしてきました。
お米づくりと言うと、田んぼに入って苗を植えていく姿を想像する方も多いと思います。
しかし、まずその植える苗を育てるところから始めなければいけません!(苗を買ってくる農家もあります。
今日はその田植え前の準備の様子について、写真とともにまとめました。
普段は情報系でプログラミングなどパソコン作業で座りっぱなしだけど、今日は1日思いっきり体を動かします…!
苗の種となる種籾を選別して乾燥させる
種籾を塩水につけて、使える種籾と使えない種籾を選別します。
『塩水選』と呼ばれ、塩水に種籾を浸けた時に、重く沈んでいるのが発芽できる中身の詰まった種で、種まきに用いられます。
種籾の選別が終わると袋に詰めて乾燥機にかけて乾燥させてきます。
我が家では旧式の洗濯機の乾燥機を用いてます。
苗箱に土を詰めておく
種を播く苗箱には予め底面の大きさに切った新聞紙を敷いて、土を詰めておきます。
土が詰まった苗箱。とても丁寧に扱わないといけません。
少しでも衝撃を与えて中の土をずらすと泣く子も黙る勢いで怒られます…(笑)
この土が詰まった苗箱は1枚あたり約4.5kg。
5枚(22.5kg)一気に台車へ運んでます。
我が家では今年は300枚超用意しました。
昔は使用してた苗箱はもっと多かったですが、年々祖父母の体力の低下もあり、扱う田んぼが縮小し、使われなくなった苗箱が多くなりました。
苗箱の少なさを見ると、あぁ、だんだん思い出の農地が手放されるんだな...と寂しくなることも。
若者も農業やらないし、ほったらかしになった土地とその分の農作物はどうなるんでしょ...と。
この枚数になると自分(身長184cm)が手を伸ばしてもてっぺん届かない。封印されてる苗箱達。
ベルトコンベア式の種まき機で苗の種を蒔く
次に、種を播くベルトコンベアの準備に取り掛かります。
苗箱に被せる育苗培土20kgを10袋以上準備。
ベルトコンベアーへ運んでいきます。
300枚以上苗箱があるので、ベルトコンベアー式の播種機を用いて均等に種を蒔いていきます。
我が家ではYPH302でんぱくんを用いて行っています。
ベルトコンベアの右端に苗箱を置くと、苗箱が流れていき、全体に水がかかり、種が均等に蒔かれ、上から適度な土が被さり、左端に到達します。
この一連の作業を、苗箱を置く係、種の蒔き終わった苗箱を受け取るかかり、苗箱を次に紹介する苗を育てる育苗器に運び込む係と分担して行います。
クボタのサイトにベルトコンベアによる種まきの流れが詳しく書かれてます。
めちゃくちゃ分かりやすい!(自分ももっと写真撮っておくべきだった(汗)
苗箱を左端で取り忘れた時は強制的に全機能がストップしてベルトコンベアーから苗箱が落ちないようになってます。
ただ、種まき作業のリズムが崩れるのでできるだけ止めないように作業をこなしていきます。
苗箱を育苗器に入れて加湿して苗を育てる
苗の種を蒔き、水をかけて土を被せた苗箱を育苗器に積み重ねていきます。
この時点で苗箱1枚あたり7.5kgほどの重さになります。
育苗器は前から手前、中央、奥に置くようになっていて、中央は腕を少し伸ばさないと置きにくいです。
300枚以上積み重ねていくので連続して運んでいくと苗箱の重さで手先が疲れてきます(汗)
幾つかの米の品種を扱う場合は、苗箱が混じらないように札を挟んだりして区別できるようにしておきます。
これをやり忘れると見分けがつかなくて大変なことに。
なお、絶対に蹴躓いたりしてこの状態の苗箱に衝撃を与えてはいけません。
苗箱の土と種が偏ってめちゃくちゃに混ざってしまうと修復が困難だからです。
うちではビビるぐらい祖父に怒鳴られます(汗)
なのでかなり、かなり、かなり、慎重に運びます。
腰を上げたり、屈んだりを何百回も繰り返して、土が少なくなれば急いで補給して、できるだけベルトコンベアーの作業を止めないように気をつけます。
(毎年起こるけど)機械に不具合が出たら修理して、水や種のまき具合を確認して、乾燥機までダッシュしてを繰り返すので、ベルトコンベアーで種まきが自動化したと言っても、やることはかなりあります。
最後に育苗器の中を加湿するために、育苗器下のトレイに熱々のお湯を入れ、カバーをかけて終了です。
辺り一面が土と水で泥だらけになるので、それらを流して今回の苗の種まき作業はおしまいです。
田植え準備前になるとたくさん飛んでくるツバメたち
田植え時期に入ると、軒下や倉庫にたくさんのツバメが飛んできて巣を作っていきます。
新居を建設中だったところをパシャリ。
奥さんらしき鳥と飛んで近くによく止まってました(笑)
作業中に頭の上や顔のすぐ横を通って行くのが何気にこわい。
出来上がった巣。
ツバメが落としていくフンやゴミが苗箱に混じらないように、巣の下に板をつけておきます。
苗の種まき作業を終えて
80歳こえた祖父には毎回の手伝いを喜ばれますが、その自分が農業継ぐ意思が今のところ無いので、なんとも胸が痛みます。
祖母はもう重労働できる体ではなく、兄弟も学校が重なったりで人員がどんどん減ってます。今日は例年の半分の人員でしてました。
正直、離農の縮図見てる気分。
荒川弘さんの実家の農業経験談を元に書かれた『銀の匙』と『百姓貴族』を最近読み、その中で離農(金銭的な理由などで農業をやめざる得ないこと)されるシーンを思い出しました。
あちらは酪農ですが。
祖父母の家で農業できるうちは手伝っていかねば。